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フリーランスでドメインとサーバーを契約ごと預かるのって、自分が突然事故で死んだりしたらどうするつもりなんだろうっていつも思ってるんですが、そういうことをする人に聞くと、だいたい「(突然死んだらという言葉にだけ反応して)失礼な!」って怒り出すんですけど、なんなんだろうか…
— 長谷川喜洋★星のソムリエ®/Yoshihiro Hasegawa (@hiro_ghap1) 2022年6月14日
自分もTwitterで反応してたんだけど、いろいろ思うことあったんでブログにする。
幸か不幸か自分はクライアントのサイトを自分で管理しているサーバーに入れる機会はなかった。大概元受けの制作会社が抱えるんで。
ただ、自分で請け負う場合は、元ツイートのように、「自分が死んだらヤバイ」って思ってたので、基本的にサイトの管理はサーバー、ドメインともクライアントで契約してもらう形にするつもりでいた。現在もその方針に変わりはない。
ただ、Webに詳しくないクライアントにこれを説明するのが大変と言うのもあるし、面倒くさがるクライアントも多いだろうなと。
その点、Wixとかは (サイトの管理者=サーバーとドメインの管理者) であるので楽だよなと再評価する次第。最近はWixもJimdoもドメインの持ち出しができる。いい時代になったもんだ。
制作会社の中には、クライアントが自前でドメインやサーバーを持っていても、自分のところに引っ越させようとするところがある。
何でそんなことをするのかと言うと、いろんなサーバーのログインIDやパスワードを管理するのが面倒だから。自分が管理しているところであればサーバーの管理画面へは1つのIDとパスワードで事足りる。
高々10秒程度の手間を面倒くさがっているだけなんだよね。すごく自分勝手。
サーバーの引っ越しでクライアントが被る迷惑は、メールソフトの再設定。社員一人一人のパソコン・アカウントの全てで新しいサーバー用のアカウントを追加、設定が必要になる。切り替え前後のメールのやり取りに支障をきたす。
そんな迷惑をクライアントにかけてでも自分のわずかな楽を優先する。控えめに言ってクソですね。
最も悪質なものとしては、サイトとドメインを人質にとる目的でそれをやるパターン。
自分の周りでは聞かないんだけど、10年くらい前にサイトやドメインを渡さない制作会社の話を聞いたことはある。
まあ、訴訟を起こして回収したうえで損害賠償請求とかもできそうだけどね。
ところで、
と、自分が契約してるサーバー内に預かってるサイトを入れちゃうと、多くのサーバーで再販の規約違反になるのでダメですよ。
— 長谷川喜洋★星のソムリエ®/Yoshihiro Hasegawa (@hiro_ghap1) 2022年6月15日
しかも、それらのサイトの一つが攻撃を受けてIPがブラックリストにのったりすると、同じサーバー内のドメイン丸ごとメールが届かないとかあるからね。
サーバーの再販、調べてみるとXserver、ロリポ、さくらなど結構な数のレンタルサーバーが認めてるんでダメってことはないかなと。ヘテムルとかは再販不可って明記してますね。
セキュリティについては全くその通りで、スパムメールの発信元にされてしまった場合、サーバー内の全サイトで「発信したメールが届かない」状態になる。
これ、メーラーデーモンからの警告すらないの。静かにビジネスが止まる。クライアントの信用が落ちる。
さらに、レンタルサーバーも問題を検知して、サイトそのものを落とします。同じサーバーに入れた他社のサイトも全部ひっくるめて閲覧不能、メールの送受信不能に陥ります。
そしてウェブサーバーもメールサーバーも一旦初期化しないといけない。メールの中身はどうにかバックアップ取れたりするけど、サイトとかは全部安全が確認されているバックアップデータを使って再構築。
どうにか全てのドメインのリセットができて、レンタルサーバーの会社に再開の連絡を入れても、まだメールは届きません。
スパムメールのブラックリストを提供している会社(ほぼ外国。英語必須)のサイトで、ブラックリストから外してもらう申請をしなきゃいけない。これが数社あって、ブラックリストに載っていればそのすべてで申請が必要。
話は変わって。
このツイートに関連して、「電気通信事業者の届け出も必要だよ」というリプがついてるのを見てびっくり。初耳でした。
調べてみると、ウェブサイトを公開するだけなら届出は不要。ただし、メールサーバーも提供する場合は届出が必要と言うことが分かりました。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000477428.pdf
大抵の制作会社、引っかかるんじゃね?
この辺も、契約主体がクライアントになるWixだのJimdoだのは楽だよねぇ、と。